前回作ったくるみパンは、全粒粉を使用して小麦の香ばしい風味と歯ごたえのある食感のパンにしましたが、グルテンが少ないため『もちもち感』はあまりありませんでした。
そこで『もちもち感』と『しっとり感』を出すために、低温発酵のパンを作ってみることにしました。
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【くるみパンの基本レシピ】くるみと全粒粉で香ばしく
低温発酵について
低温発酵とは、冷蔵庫など温度の低い場所でゆっくりと発酵させることです。
通常35~40℃で40分程度の一次発酵を行いますが、その工程を冷蔵庫で半日~1日ほど長時間発酵させる方法です。
低温発酵のメリットは、
- パン作りの工程を2日間に分けることができる
- 工程を分けることにより合間の時間でパンを作れる
- 長時間発酵させることでパンの甘みが増す
- 長時間発酵させることで小麦の味と風味が増す
- 生地にしっかりと水分が結合し『しっとり』したパンになる
- じっくりグルテンが形成され『もちもち』したパンになる
メリットだらけで、しかも美味しいパンがつくれます。
前回のくるみパンから材料も大幅に変更しました。
冷蔵生地で甘めのパンにしたので、ドライイーストを耐糖性のものに変えています。
生地に12%以上の糖分が入っている時に使用するイーストです。
耐糖性のドライイーストは製菓材料専門店で手に入ります。
サフ社のドライイーストを使っている場合、耐糖性のドライイーストは”金色”のパッケージです。
安定性抜群なリッチな生地用インスタントイースト。
イースト臭がなく、発酵の香りをフルに活かすことができ、冷蔵生地にも安定した効力を発揮します。
材料:熟成くるみパン 6 個分
【粉類】 | |
強力粉 | 125g |
全粒粉 | 25g |
三温糖 | 20g |
塩 | 2.5g |
【油脂】 | |
※ショートニング (バターでも可) |
20g |
【イースト液】 | |
耐糖性ドライイースト | 3g |
35℃温水 | 7.5g |
【仕込み水】 | |
牛乳 | 77.5cc |
【具材】 | |
クルミ | 40g |
ショートニングは無味無臭なので、素材の香りを活かしたい時に使用します。
パンの焼き上がりはバターに比べて『ふんわり』して軽く、翌日も弾力が持続します。
トランス脂肪酸フリーのオーガニックショートニングなども出回っているので食事のお供としてのパンや、『ふんわり』したパンが好みの場合はショートニングがおすすめです。
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0クルミの下準備
クルミは150℃で5分ほど軽くローストし、粗めに刻んでおく。
生地作りの工程について
パンの生地作りの工程は、『step.4 ニーディング』まで全て同じですので、
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上記をご覧ください。具(クルミ)の混ぜ込みについては『step4.5 具の混ぜ込み』を参照してください。
低温発酵の生地なので、ここでは『step.5 一次発酵』からの工程になります。
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5一次発酵
・ニーディングが終わった生地をビニール袋などに入れ、空気が入らないように閉じる。
・冷蔵庫に入れ12時間~24時間発酵させる。
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6分割→ベンチタイム
・生地を6等分にし、軽く丸める。
・乾燥させないように布巾やラップをかぶせ、20分休ませる。
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7成型
・一度丸めなおし、閉じ目を下にする。
・ハサミで十字か一文字に切り込みを入れる。
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8仕上げ発酵→焼成
・40℃で30分発酵させる。
・表面に卵を塗る。
・180℃で13分焼き、できあがり。
※お持ちのオーブンによって、温度・時間を調整してみて下さい。
実食:熟成くるみパン
『しっとりもちもち』とした食感ですが、ちょっと『どっしり』とした口当たりです。
ショートニングを使用すると『ふわっ』と仕上がります。
長時間発酵のおかげで全粒粉の小麦の風味が引き立ち、くるみのほろ苦さと三温糖のコクのある甘さで香ばしく焼きあがりました。
今回の発酵時間は12時間でしたが、翌日の予定に合わせて前日に生地を作っておけるということがメリットであり楽しみでもあります。