プリンを作った際、生クリームが余ったので何か作れないかなぁ…と考えていたんです。

パウンドケーキかぁ。生地に生クリームを入れるレシピもあるんですね。
( ´ー`).。oO(それぞれのケーキの違いってなんだろう?)
ということで、ケーキについての分類を調べてみました。
生地の膨張方法の違い
分類法は色々あるようですが、工房ではデコレーションケーキ等は作らないので、生地についての分類にしぼります。
ケーキの口当たりをよくするためには、ケーキを焼き上げるときに何らかの形で生地に空気を含ませることが必要になる。このため多くのケーキは、
- 酵母(イースト)
- 固く泡立てた卵白(メレンゲ)
- 生地に練り込むか折り込むかした油脂(バターもしくはショートニング)
- 重曹やベーキングパウダー
- 生地の水分
などのうち少なくともどれか1つを膨張剤として用いる。材料の配分により、酵母を使ったケーキは菓子パンとの、バターやショートニングを使ったケーキはパイとの区別をつけることが難しいものがある。
【出典元:Wikipedia】
調べておいて何ですが、こんなに体系だって分類されているとは驚きました(^^;)
次は工房で作る予定の焼き菓子に焦点を当てます。
メレンゲを使うお菓子
シフォンケーキ
シフォンケーキは、食感が絹織物のシフォンのように軽いことから名付けられました。
スポンジケーキの一種で、角が立つまで泡立てた多量のメレンゲで膨らまし、生地に植物油(サラダ油)を加えることでフワフワ食感になります。
メレンゲが膨張剤として十分に作用するので、ベーキングパウダーを省略したレシピも多いケーキです。
ベーキングパウダーを使用すると弾力のあるシフォンケーキができます。
この生地に植物油(サラダ油)を加えるというレシピは、シフォンケーキの考案者『ハリー・ベーカー』が公表しなかったため長年製法は謎とされてきましたが、自らの高齢などを理由にレシピが世に出たという経緯があります。
シフォンケーキの型は元々、アメリカ菓子のひとつ『エンジェルフードケーキ』のために作られた型(Angel Food Cake Pan)だそうで、中央に穴が空いた形に焼き上げるのが特徴です。
工房のシフォンケーキはこちら↓ 続きを見る
【シフォンケーキの基本レシピ】ふわふわ食感*うっとりする柔らかさ
練り込んだ油脂類を使うお菓子
タルト(パートシュクレ)
パートシュクレとはタルト生地のことをいい、上にクリームや果物を盛り付けることでいろんなタルト菓子ができます。
タルトのルーツは古代ギリシャやエジプトにあるとされ、古代ローマ時代のトールタというお菓子に由来しています。
ジャムやクリームなどのゲル状のものを、食べられる器に入れて出そうとしたのが始まりだそうです。
生地はバターをクリーム状になるまでよく混ぜ、粉を加えたら練らないように混ぜるのがポイント。
ケーキは膨らませるものですが、タルト生地は膨らまないように型にのせたらフォークで穴を開け重石をして焼きます。
重曹やベーキングパウダーを使うお菓子
パウンドケーキ(バターケーキ)
パウンドケーキはバターケーキの一種で、小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンドずつ使って作ることから『パウンド』ケーキと名づけられました。
フランスのブルターニュ地方が発祥で、イギリスでは18世紀初頭にレシピ集に登場し始めます。
その後、ケーキを卵で膨らませるパウンドケーキは定番となり、イースト使用のケーキに比べ材料が高価な為上等なケーキとされました。
パウンドケーキは膨らませるためのレシピがいくつか存在し、泡立て方で製法も異なるのでそれぞれ気泡や口当たりなどに違いがあります。
パウンドケーキの製法
シュガーバッター共立て法
クリーム状にしたバターに砂糖を加え、溶いた全卵を少しずつ加えて混ぜ、最後に粉を加える手法。
シュガーバッター別立て法
クリーム状にしたバターに砂糖の半量、卵黄を加えて混ぜる。
残りの半量の砂糖を加えた卵白で作ったメレンゲと、粉を交互に加える手法。
ジェノワーズ法
卵と砂糖を泡立ててから小麦粉を加え、最後に溶かしバターを加える手法。
ベーキングパウダーを入れると高さが安定し全体的にきれいに膨らみます。
レシピ集などをみると『シュガーバッター共立て法』が一般的で簡単な製法です。
工房のパウンドケーキはこちら↓ 続きを見る
【パウンドケーキの基本レシピ】しっかり混ぜてしっとりふっくら
マドレーヌ(バターケーキ)
材料はパウンドケーキとほぼ同じで、小麦粉、卵、砂糖、バターがそれぞれ同量、ベーキングパウダーを加えて焼きます。
お好みでアーモンドパウダー、バニラオイル(香料など)、ブランデーやリキュールを入れます。
レモンの皮としぼり汁を加えることで、爽やかで風味豊かなマドレーヌになります。

マドレーヌの発祥については諸説ありますが、
- ロレーヌ公スタニスラスの料理長とパティシエが喧嘩して館を出ていった時、
召使のマドレーヌ・ポルミエが、ありあわせの材料とホタテの貝殻を使ってお菓子を作った。 - サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼のために、
マドレーヌという女性が、シンボルであるホタテ貝をかたどってお菓子を作った。
など、いずれも『マドレーヌ』という女性の名にちなみます。
焼き型はホタテ型と菊型のふたつが主流ですが、
日本の菊型のマドレーヌは、『パン・ド・ジェーヌ』というお菓子が日本に伝わった際にマドレーヌと混同され、その型がマドレーヌの型として使われたことによるそうです。
よく間違われるフィナンシェとの違いは、マドレーヌは全卵を使用しますが、フィナンシェは卵白のみを使用します。
工房のマドレーヌはこちら↓ 続きを見る
【マドレーヌの基本レシピ】ふんわり食感のポイントはグルテン
マフィン
マフィンはアメリカのカップケーキ状の焼き菓子と、イギリスの丸型のパンであるイングリッシュ・マフィンがありますが、現在はイギリスでも焼き菓子としてのマフィンが一般的です。
材料もバターケーキとあまり違いはなく、ベーキングパウダーを使用しないレシピもあります。
粉を変えたり、フルーツ、ナッツ、チョコチップなどを入れたり、それぞれ工夫を凝らしたアレンジレシピが面白いケーキです。
カップケーキと似ていますが、カップケーキは『ケーキ』とつくだけあって、味も見た目もデザートです。
一方マフィンはスコーンと同じく各地で味や具材も違い、食事のお供としてのマフィンだったり、おやつとしてのマフィンだったり様々です。
工房では焼き菓子としてのマフィンを作ります。
工房のマフィンはこちら↓ 続きを見る
【マフィンのレシピ】バター不使用*あまった生クリームでふわふわ
ブラウニー
ブラウニーは平たく正方形に焼いた濃厚なチョコレートケーキで、バー状に切り出したものがオーソドックスな形状です。
あまり膨らませないので、失敗も少なく初心者におすすめのケーキです。
食感もふわっとしたケーキではなく、どっしりとしたソフトクッキーのような感じですが、チョコレートの濃厚さにより、
ファッジ状(やわらかいキャンディ)
ケーキ状(クッキーに近い)
など、好みでチョコレートを調整できるチョコ好きにはたまらないお菓子です。
具材もナッツ、クリームチーズ、チョコチップなどを入れたり、粉砂糖をかけるなど様々なブラウニーがあります。
ブラウニーの発祥はシカゴ万国博覧会で、シカゴにあったホテル『パーマーハウス』の創業者の妻が
「万国博覧会に参加する女性のために、気軽に出して食べられるケーキよりも小さいデザートを作ってほしい」という要望にシェフが応えて考案したとされています。
その後アメリカの女性料理家が著した『ボストン・クッキングスクール・クックブック』の中で今日のような、よりケーキらしいブラウニーへとアレンジされました。
ファッジ状のブラウニーは、更にその後のルター・M・ルーニー商会から出された『ルーニーズ・クックブック』に登場し、卵をふんだんに使用してチョコレートを多く加えていたため、より濃厚なブラウニーとなりました。
工房のブラウニーはこちら↓
【チョコブラウニーの基本レシピ】チョコがけでパリッとアクセント
バター不使用、パウンドケーキは?
冒頭のパウンドケーキですが、生クリームを泡立てて、ベーキングパウダーを加えて焼きます。
そしてバターは使わないということで…マフィン?

ということで、作ってみてからどの焼き菓子にするか決めようと思います。
→(追記)マフィンになりました。